ご多忙のなか、錣山親方(元関脇寺尾)にご来館いただきました!
主な目的は、ただいま開催中の「誉のくまもと展」に出品されている、安本亀八《相撲生人形》(当館蔵)と、瀧下和之さんが、故九重親方(元横綱千代の富士)をオマージュして制作した《大相撲力士図−雲竜−》の観覧です。
当館としても、相撲界の方に、《相撲生人形》を見ていただくのは初めてのことであり、どのようなご感想がいただけるのか、楽しみにしていました。

本展入りまして、まず注目されたのが、寺田克也さんの作品。「同世代の方なんですね」と興味を持ったご様子でした。

続いて、《相撲生人形》を、全方向からぐるりと観覧。「筋肉がすごい表現ですね」
「上手投げですね、でも、腰に完全に乗っているから、腰投げかもしれない。親方の判断次第ですね」とのこと。
また、髪型を見て、「髷を結っていないですね。うちの力士たちも、風呂上りはこんな感じの髪型ですよ」とご指摘。着衣でもあり、いわゆる公式試合ではない雰囲気の演出か?と、作品理解が深まる重要な発言でした。
また、「目が血走っているのも、試合後にそうなっていたこともあります」というような
コメントも。
「土俵の上では、それまで汗をかいていても、すっと汗が引きました。自分のことですが…。」という、土俵という場の特別さを教えていただくような言葉もいただきました。



続いて、瀧下和之さんの作品を観覧。
千代の富士をオマージュした作品を見て、「もっと目つきが鋭い、こわい人でしたよ。引退後もこわい存在でした。自分が試合をしたなかで、最も強い力士でしたから…。」とのコメントでした。
対の作品《大相撲力士図−不知火−》を見て、「そうです、こんな感じの目つきで、にらみあう感じです」と勝負の場の雰囲気をお教えくださいました。



続いて、会場を観覧。
《市川三四助像》を見て、「もう少し目がたれてたら、自分の子供のころに似ているかも?」とチャーミングなコメントや、
石川直樹さんの《異人》をみて、3.11の時のご近所の被害の様子などをお話くださいました。
宮島達男さんの《Archive of Death Clock》については、この写真のなかに、熊本の方がたくさんいますとご紹介したところ「地震で被災された方が写っているんですね…」と真心からのコメントをいただきました。



現代美術や、生人形との出会いは初めての機会だったご様子でしたが、会場を存分に楽しんでいただけたようでした。
会場入口に、錣山親方のサイン色紙をご紹介しております。ぜひチェックしてくださいね!

| 誉のくまもと展 | 07:20 PM | comments (x) | trackback (x) |