特撮博物館関連イベントとして、特撮監督の尾上克郎さんを講師にお招きし、講演会「尾上さんと新しい特撮を発見しよう!」を開催しました。



講演は「特撮とは?」を紐解くところから始まりました。ジョージ・イーストマンによるフィルムの発明から、映画の草創期の歴史として、エジソンやリュミエール兄弟、ジョルジュ・メリエスの名前を挙げつつ、「映画の歴史は特撮の歴史です」との導入から始まりました。


日本映画における特撮の歴史をたどるシーンでは、円谷英二監督の成し遂げた様々な発明や研究を紹介しつつ、「ゴジラ」を起爆剤に、怪獣ブームが到来し、一般普及が進んだテレビではウルトラマンが大ヒットという歴史の流れを紹介。
その後、映画「スターウォーズ」(1977)そして、1979年を境にアメリカ特撮映画が大量に輸入される時代が到来、CGの発展の時代がやってきたという、日本の特撮の歴史と取り巻く環境について詳しくご説明いただきました。



続いて、特撮展会場で上映されている「巨神兵東京に現わる」の出来上がるまでのドキュメントをご紹介いただきました。監督補という中枢のお立場の体験を、ユーモアたっぷりのコメントを交えつつお話くださいました。

撮影方法についても少しお話いただき、「模型にピントが全部合うと本物に見えます。露出の時間を長くする必要がある場合があるのですが、これをカメラを動かしながら撮影するときにモーション・コントロールを使います」などと、技術的な話をまじえながら、映画制作に関わったたくさんのプロたちの人間的魅力も丁寧にご紹介されながらお話を進められました。

今回の講演会、事前予約された方には、質問票をお配りしましたが、30名ほどの方が提出、なんとすべてに尾上さんはお答えくださいました。
若い世代からの「どうしたら仕事につけますか?」という質問には、励ましとともに具体的な行動が大事ですというお言葉もありました。質問には新作ゴジラへの期待の声も多くみられました。



「進撃の巨人」公開を控えた超多忙のところ、入念に準備された充実のご講演をいただきました。アンケートにも大満足のお声が多く記載されていました。会場は約80名(予約者と当日立ち見)の方でにぎわいました。

| 特撮博物館展 | 03:42 PM | comments (x) | trackback (x) |