熊本県立劇場の公演「わかったさんのクッキー」の舞台美術を手がける、現代美術家・金氏徹平さんのワークショップを行いました。
今回のテーマは、金氏さんの代表作でもある「白い彫刻」を作り体験する、というものです。身の回りにある、いらなくなったカラフルな廃材や、おもちゃなどを重ねて形をつくり、そこに白い石膏をかけると、あら不思議!彫刻の形になっていきます。

金氏さんは建物や自動車に厚く降り積もった雪をみて、この白い彫刻を作ることを思いついたそうです。1人で作る小さな作品と、皆でつくる大きな作品を両方体験し、大満足の時間になりました。

※「わかったさんのクッキー」は、8月16〜18日に熊本白川教会で実施されます。



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「かえってきた!魔法の美術館」展初日、そして地震後初の全面オープンの初日となる6月25日に、熊本出身の作家2名によるアーティスト・トークを開催しました。

 最初に、出品作についてそれぞれの作家からご紹介いただきました。
 緒方壽人さんによる「サクラ」は、東日本大震災後に開催された桜をテーマにした展覧会のために作られ、花びらが舞う様と人間の動きをリンクさせた作品です。新作「ウィズ オア ウィズアウト カラー」は、地震前に撮影された美しい熊本の風景写真にナトリウムランプを当て、モノクロ写真のように見える空間を創り出し、音楽に合わせてスポットライトを点灯することでモノクロに見えた写真に色が蘇り、あざやかな景色が見ることができる作品です。緒方さんはこの新作に向けて、色のある世界とない世界を行き来する構想を練られていましたが、その矢先に熊本地震が発生し、熊本の風景をモチーフに作品を作るに至ったそうです。まわりの風景がいかに貴重で美しいものであるか気づいてもらいたいと語りました。



藤元翔平さんも新作「パワー オブ ワン サーフェス テスト パターン1」についてお話しくださいました。ミラーを使って光を増やしたり減らしたりする作品で、レーザープロジェクターから照射される強力な光をアクリル板に当てます。線対称にみえるようにアニメーションを作っていますが、角度を変えるとシンメトリーが失われ、線のふるまいは作者でも予測がつかないと語ります。
熊本で育った藤元さんは、小さい頃に田んぼにいるカエルの1匹1匹が発する鳴き声が調和する感覚が好きで、自然との触れ合いを通した経験が本作にも生かされています。1つ1つの力が複雑に絡み合って生成される様をテクノロジーで再現することで、自然の再構築につながっていると語ってくださいました。



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