八代の妙見祭に使用された《木馬(きんま)》(八代市有形民俗文化財)の作品調査を行ってきました(明治5年制作、伝松本喜三郎、個人蔵)。
 木馬(きんま)は、妙見祭の折、八代城下の豪商の長男の七五三の御披露目として奉納されるもの。3キロ程度に軽く仕上げられた馬のボディーは内側がくりぬかれていて、その中に入り、両肩から支えると、ちょうど馬に乗っている姿になります。
 ちいさなお子様が自分の足でてくてく歩く様子はすっごくかわいいのです。
 今回調査させていただいた《木馬(きんま)》は、現在行列に復興されているものの、モデルとなったもので、装飾が華やかな本当に美しい作品で、しかもかわいくて、うっとりしてしまいました。

| 生人形 | 08:19 PM | comments (x) | trackback (x) |

松本喜三郎116回忌に際し、谷汲観音像(熊本県重要文化財)が御安置される浄国寺にて墓前祭が開催されました。
報告会では、松本喜三郎顕彰会の島田会長よりごあいさつ、続いて熊本県立美術館学芸課主幹の高浜学芸員より、「谷汲観音像修復について」、本年度、来年度にかけて行われる修復方針等についての報告が行われました。
続いての場で、来る6月24日ー10月22日に当館で開催される「生人形と江戸の欲望展」開催のご案内と、目玉となる安本亀八《相撲生人形》の紹介をさせていただきました。
とにかく、本年は、生人形に関心がある人にとって、見逃せない年になりそうな予感がします・・・

| 生人形 | 04:47 PM | comments (x) | trackback (x) |

次の展覧会「生人形と江戸の欲望」展の目玉作品となる安本亀八初代の相撲生人形(1890)を、報道関係者に公開しました。 組み立て図はなく、以前の写真を頼りにしながらの初めての作業です。二人あわせて13パーツからなり、頭部等を除き、ほぞをスライドさせるはめ込み式。寄木造りで、中は空洞のため、見かけよりも軽く、全体でわずか47キロ、そして3本の足でバランスよく支えていることがわかりました。手足のはめ込み、着衣の手順を確認しながら、およそ2時間で完成。生人形はもう見慣れている私でも、目をむき出した力強い表情に圧倒されてしまいました。

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| 生人形 | 05:00 PM | comments (x) | trackback (x) |