熊本市現代美術館　CAMK Blog

春らしいピンクの着物で登場した真珠子さん。クラシック音楽に歌詞をつけた自作の唄と、巻物を少しずつ引出しながらささやくように語られる様々な物語。ライブペインティングで制作された伸びやかで透明感のある少女の絵。様々なパフォーマンスで、会場を魅了し楽しませてくださいました。あっという間の２時間、ボリューム満点の真珠子歌謡ショーに会場から、「乙女パワーで満たされた！」という声も上がりました！

田尻幸子さんの作品は、エレベーターのなかにあります。天井から吊下がった白いもこもことしたもの。まるで幾つもの白い繭が連なっているかのよう。柔らかそうで硬そうな不思議な素材でできています。これはスタッフと呼ばれる糸の様な繊維で作られているのです。ぜひエレベーターを覗いて、その目で確かめてみてください。

誰かに習ったわけではないのに、他人と共通して感じる日常の些細な違和感。それを言葉なき言語としてコミュニケーションツールへと発展させる西野正将さんの作品は、記憶の片隅にある自己体験と重なりあい見る者の心をくすぐります。何気なく足を踏み出したカーペットの廊下をふと見ると、そこには･･･。
西野さんの作品は、館内フリースペースのトイレへと続く廊下を舞台に展示されています。
廊下の突き当りには「ふふっ」と笑みをこぼしてしまうような映像作品も上映中です。お楽しみに！

　森さんの作品は、レオナルド・ダ・ヴィンチやハンス・ベルメールなどの絵画にインスピレーションを受けているとか。巧みな技術から創出された襞や歯は、目にするだけで触れているかのような体験を呼び起こし、視覚のみでは捉えきれない触覚や対象と触れた際の記憶を喚起させます。ぜひ会場で、繊細さと素材自身がもつ力強さがおりなす彫刻をご覧下さい。

緑の巨大な格子状の布が幾重にも重なり、空間的な広がりを感じられる武内貴子さんのインスタレーション。一目一目作家本人の手で丁寧に結ばれるこの作品からは、そこはかとない人の匂いや動きを感じることができます。

今回の展示では、熊本市民の皆さんからお借りした肥後手毬とのコラボレーションも見所です。武内さんの作品は館内展示スペース（ギャラリー3、井手記念室）にて無料で見ることができます。

肥後手毬の実のなる緑のくつろぎの中に座って、心ゆくまでピクニックをお楽しみください。