コレクション展出品作家の稲原豊命さんと田中栄一さんに「写真とは何か?」というテーマでお話しいただきました。



お二人が写真の道に進むきっかけ、今回の展覧会に出ている作品はどのような背景があって撮られたものなのか、熊本地震の発生からもうすぐ1年を迎えるにあたって思うこと、お互いの作品について語る……など、盛りだくさんな内容となりました。

元々は画家志望だったという田中さんのエピソードには会場中から驚きの声が。絵画とは違う写真の良さに惹かれ、さらには「これを撮りたい!」と強く思うような被写体(風景)との出会いがあったのだそうです。

印象的だったのは「今、写真にはデジタルとフィルムと大きく分けて2種類のものがあるけれど、それをどう使い分けているのか」という質問に対して「今、デジタル写真が普及してみんなが簡単に写真を撮ることができるようになったけれど、やはりじっくりと時間をかけて撮るフィルム写真の良さにはかなわない」とおっしゃっていた稲原さんの姿です。
長く第一線で活躍されている写真家の、写真に対する大きな愛を感じました。

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コレクション展の関連イベントとして、企画担当者による講演会を開催しました。



まずは展覧会のタイトルに込められた思い、そしてサブタイトルにもある「本当のくまもとのお宝とは何か?」ということについて、人気のテレビ番組を例に挙げての説明がありました。

本展の準備期間は、地震から当館が、そして熊本に暮らす人々が歩んできた日々とほぼ重なります。
被災直後、生活のインフラ整備もままならない、まさに非常時と呼べる環境の中、当館は早くも5月に「避難所」ではなく「美術館」として営業を一部再開しました。
最初は職員たちも、このようなときに美術館として市民に門戸を開いて本当にいいのだろうかという不安を持っていました。しかし実際にリスタートした館内が「人々のほっとした顔」で溢れる様子を見て、それは杞憂だったといいます。
そのとき本展の担当者は、大変なときに美にふれることを選ぶ人々の心こそが「くまもとのお宝」なのではないかと思ったそうです。
このように、本展の背景には一連の地震を受けて担当者が経験したこと・見たこと・考えたことが盛り込まれているのです。

その後、会場構成や各作品のみどころ紹介があり、最後は「これからも美術館として、人々が熊本の生活や文化をより一層大事に思えるような活動を行っていきたい」という言葉で締めくくられました。

CAMKコレクションVol.5「知っとるね?くまもとのお宝、大公開てばい!」展は3月26日(日)まで開催しています。どうぞお見逃しなく!

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「知っとるね?くまもとのお宝、大公開てばい!」展のプレママファミリーツアーを開催しました。今回は4組のご家族の方にご参加いただきました。
「花園」から始まる本展、色とりどりの作品の間をファミリーが歩く姿は、ピクニックのようです。子どもたちは、不思議な音が出る作品に「こわーい」と言いながらも興味津々で、音に合わせて声を出しながら楽しんでいました。当館や熊本にゆかりのある作品も多く、学芸員からの裏話に親御さんは興味深く聞き入っていらっしゃいました。
大人も子どもも「くまもとのお宝」を味わっていただけたようでした。



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当館が開館して以来5回目の開催となるCAMKコレクション展が18日より始まりました。

今日は、この展覧会の企画担当である学芸員・冨澤が進行役となって、コレクション展のみどころを解説するギャラリートークが開催されました。



今回のコレクション展は主に3つのコーナーで構成されていて、作品の配置にも工夫があるそうです。

たとえば、天野喜孝《花天》と中島千波《桜》を並べたのは、ほぼ同年代の現代作家である彼らの表現の違いを見比べてみてほしいという意図があるとのこと。
また、菊畑茂久馬《天河16》と松本寛庸の作品群を向い合わせに配置したのは、「宇宙」という同じテーマを扱った作品を並べて、惑星のエネルギーを感じられる空間をつくり出したのだそうです。
さらに、3体の生人形が展示されたコーナーには、篠山紀信の撮影による今をときめく歌舞伎役者の写真が人形を取り囲むように並べられています。
これらを同じ空間の中で見比べることで「生人形がさかんに造られていた時代も、現代も“かっこいい”という要素は歌舞伎にあることがわかる」という考察には、参加者のみなさんも深く頷いていらっしゃいました。

| CAMKコレクションvol.5 くまもとのお宝展 | 03:00 PM | comments (x) | trackback (x) |