熊本市現代美術館　CAMK Blog

「来た、見た、クマモト！」展開催中の毎週日曜日に、展示作品で、ヤノベケンジさんの《アトムカー》の試乗会を行いました。各回5名ずつ、計4回の試乗会に20名の方が試乗されました。《アトムカー》とは、ガイガーカウンター搭載で、空気中にある放射能を10回感知したら止まる自動車です。





まずはじめに《アトムカー》の説明があり、試乗を行いました。
前進と後進の両方を体験しました。車を運転するのと似た要領で視界も狭いので少々難易度の高いものでしたが、参加者のみなさんはスムーズに運転され、笑顔で体験されていました。また、その場に居合わせた方々が《アトムカー》の動く様子に、足を止めて見入っている姿も印象的でした。

　CAMKコレクション vol.4｢来た、見た、クマモト！｣展において、鈴木淳さんによるアートイベント「似木絵、どうです？」が行われました！
このイベントは、鈴木淳さんがお客さんの「似顔絵」ならぬ「似木絵」を描き、お客さんとの会話や雰囲気から感じ取った印象を木で表現しようというものです。
　鈴木さんお手製の木の下にビニールシートを敷いて、会場はのんびりピクニックのような雰囲気
　「自分はどんな木かな…。」ドキドキして待つお客さんでしたが、「はい！できましたー。」と渡された似木絵を見るとにっこり笑顔がたくさん見られました。
　19名の方が参加され、１人につき約20分ほどかけてじっくり描いていただきました。予定時間を超えるほど大盛況なイベントとなりました

「ＣＡＭＫコレクションvol.4　来た、見た、クマモト！」展企画学芸員が、「ＣＡＭＫコレクション、この１０年をふりかえる」と題して、当館収蔵作品からなる今回の展覧会についてお話しました。

00、01年のプレイベントから、昨年度の奈良美智展まで、当館のＧ１、２のメイン展示室で開催した企画展を10年分振り返りながら、その企画展を機に収蔵し、本展で出品している作品についてご紹介しました。もちろん、メイン展示室だけでなく、Ｇ３での小企画展を機に収蔵・出品している作品を多々ありますので、Ｇ３企画展の10年間分もあわせて、スライドショーで振り返りました。
スライドショーの合間に、八谷和彦さんの《メーヴェ1/2》の飛行実験の映像や、日比野克彦さんの《いくさいぐさ》、《トーロート》の制作者インタビュー映像、安本亀八の《相撲生人形》組立映像などをご紹介しました。

様々なアーティストたちと、様々なタイプの展覧会を開催するなかで、アーティストたちの提案によって、新作制作の現場を通じて多くの市民とつながったり、熊本の伝統工芸とその担い手達を再発見したり、現代美術館という場所がより多様な文化の交流の場となったりと、常に市民が楽しみ・新しい出会いを経験する場として美術館が変化し続けているその軌跡もご確認いただきました。
当館のコレクションについて、美術館史とともにお話したレクチャーではありましたが、企画展や、アーティストが市民とともに作品制作を行う場など、様々なかたちで市民ひとりひとりの人生と寄り添いあいながら、収蔵作品と美術館が時を過ごし今に至ることも、当館の重要なコレクションのひとつであることを改めて確認する機会となりました。

当館所蔵作家、八谷和彦さんによるアーティストトークを開催しました。

当館所蔵作品《メーヴェ1/2》(2003）は、2003年に開催した展覧会「Open Sky」に新作として発表されたものですが、今回のトークでは、現在まで続くこの10年間のプロジェクトの進展について様々な初公開映像を交えながら、じっくりお話いただきました。

これまでのテスト機の飛行実験の映像は、まるで現場を共有できたようなわくわく感がありました。また、八谷さんがご自身で最新機を実際に飛ばすことを目的として行い続けてきた、様々な飛行のトレーニングの映像も、「空を飛んでいる時ってこういう景色なんだ…」という、八谷さんとともに飛んでいるようなどきどき感を呼び起こさせるものでした。

講演会場内の大人たちが目をきらきらさせて聞き入る様子がやはり印象的で、この今現在の「わくわく」と「どきどき」、つまり未来への夢が開かれていく瞬間を共有する楽しさと高揚感が、八谷さんの作品の重要な特徴のひとつであると改めて実感する場となりました。

上通・下通・新市街の商店街の皆様を対象とした展覧会ナイトツアーを開催しました。
奈良美智展より開始しましたこのツアーですが、「この機会を利用して初めて美術館に来ました」という方や、前回もご参加いただき、今回は誘い合って来ていただいた方もいました。20名の方にご参加いただきました。
お仕事後のひと時に、担当学芸員によるトーク付きで、「来た、見た、クマモト！」展を楽しくご観覧いただけた様子でした。商店街の方々と当館との交流の場として、今後も継続の予定です。